多汗症

『頭部多汗症の治療』 頭から大汗。知られざる症状とは!?

2017/03/26

頭部 多汗症 治療

夏場や運動した後でなくても頭部から大量に発汗してしまう、という方。あなたは、もしかしたら「頭部多汗症」かもしれません。頭部多汗症と聞いても、ピンとこない方が多いのではないでしょうか。

多汗症のなかでも、脇の下や手足、全身の発汗はイメージしやすいものですが、頭部となると話は別。そこで今回は、頭部多汗症の症状と治療についてまとめています。「もしや?」と思った方は、ぜひ参考になさってくださいね。

1. これはツライ!患者を悩ます頭部多汗症の症状

その名のとおり、頭部から大量に発汗するのが「頭部多汗症」の症状です。本人や周りに頭部多汗症の人がいない方にとっては、そう聞いてもイメージし難いかもしれませんね。

頭部多汗症と診断されるほどになると、頭部から流れ落ちるほどの発汗があり、頭髪が汗でびっしょりになったり顔にも流れ落ちたりします。また、うなじからも異常に発汗するケースもあり、とにかく目立ちます。暑い日や激しい運動をした後ならこうした光景も珍しくはないでしょうが、多汗症の場合は緊張・興奮・不安などのストレス状態で発汗するケースが多いため、涼しい環境でもひとり大汗をかいてしまったりするのです。

簡単に「汗」と言っても、本人にとっては社会生活を送る上で大きな問題になってしまうのが、多汗症。特に頭部多汗症の場合には、人目につきやすいため悩みも深刻です。帽子をかぶって目立たないようにしようとしてかえって発汗してしまうなど、人目を気にすることで、さらに身体にも心にもストレスがかかり症状が悪化してしまうケースが多いのも、頭部多汗症の特徴と言えます。

精神的な負荷が大きくなる場合には、精神科や心療内科での治療も必要。症状を気に病むようになると悪循環に陥ってしまうため、頭部からの発汗が少しでも気になるようなら、自己流のケアだけでなく、専門医の治療を受けるのがおすすめです。

2.そもそもどうして起こるのか?頭部多汗症の主な原因

想像以上に、生活に支障が出てしまう頭部多汗症。どうして特定の人にだけこのような症状が出てしまうのでしょうか。

実は、その原因は未だに解明されていないのが実情。全身性の多汗症の中には、バセドー病や更年期障害など、原因となっている疾患や不調がはっきりしているケースもありますが、頭部多汗症など局所性多汗症の多くは、なぜ発症するのがわからない場合が多いのです。発汗を促す交感神経が、何らかの理由で外部刺激に強く反応し過ぎてしまうために異常な発汗をしてしまう要因、というのが現在考えられている頭部多汗症の主な原因ですが、そうなってしまうメカニズムなど、解明されていないところが多いのが現状です。

また、先ほども触れたように、汗をかいていることを周囲に気づかれやすい部分であるために、他人の目が気になり精神性の発汗が増えるケースも多く、これが頭部多汗症を悪化させる要因になると考えられています。

原因が特定されていないだけでなく症状の重さには精神的要因が深く関係しているため、一度発症してしまうと治療も一筋縄では行かないのが頭部多汗症。次では、症状を軽減するために、現在行われている治療についてご紹介します。

3.何科で治療?頭部多汗症の治療法とは

多汗症の多くは、皮膚科で治療を受けることができます。「多汗症専門外来」や「発汗異常外来」を標榜しているクリニックもあるので、専門医がいるかどうかを調べてから行くとよいでしょう。

皮膚科での多汗症治療では、外用薬(塩化アルミニウム外用制汗剤)や内服薬によるもののほか、ボトックス注射や手術によって発汗の原因である交感神経を遮断してほぼ完全に汗を止める治療法も有効とされています。しかし、厄介なことに、頭部多汗症の場合は他の局所性多汗所とくらべて治療がより難しいというのです。

頭部多汗症では手術の有効性は低く、内服薬や注射による治療、そして外用薬が治療のメインとなります。ただし、ほかの部位と違って頭皮は薬を塗ることでひどいかぶれを起こす場合があるため、外用薬による治療には人によって向き不向きがあります。医師の指導に基づいて使用しないと、思わぬ副作用に悩まされることになりかねないため、要注意です。

頭部多汗症の治療に大きく貢献するといわれるのが、カウンセリング・心理療法です。これは、頭部多汗症にはほかの多汗症よりも精神性の発汗が大きく関わっているため。だからといって、悩みを聞いてもらって心を軽くするばかりがカウンセリングではありません。

精神的なストレスを軽減すると同時に大切なのが、自律神経の働きを自分でコントロールできるよう訓練することなのです。発汗が起こったときや不安や緊張を感じたときに、平常心を保っていられるようになることで、精神性発汗を抑えていくことが狙い。これを積み重ねることで「人前でも大丈夫」という自信がつき、交感神経が強く反応しづらくなれば◎。頭部多汗症の症状が緩和していきます。

また、即効性はないものの、漢方薬による治療も行われているため、興味のある方は漢方薬専門医や薬剤師に相談してみると良いでしょう。

4. 少しでも良くするための自宅での頭部多汗症ケアは?

適切な医療機関での治療とともに、ご自身でのケアにも挑戦してみてはいかがでしょうか。セルフケアには、頭部多汗症の症状が出てしまう不安を減らす効果もありますね。

頭部多汗症の発汗要因に大きく関わる精神的な部分のケアとしては、「自律神経訓練法」が有効です。強くなりすぎている交感神経を抑えるために、緊張や不安・ストレスから心身を開放するのが目的。就寝前などに、楽な恰好でベッドに横になり、深呼吸と簡単な暗示でリラックスを図ります。

手順は、深呼吸→「気持ちが落ち着いている」→「両手・両足が重い、両手・両足が温かい」→「心臓が規則ただしく脈打っている」→「楽に呼吸をしている」→「お腹が温かい」→「額が涼しい」。深呼吸のあと、かぎかっこ内は3回ずつ心の中でゆっくりと唱えます。

また、外出先などで発汗してしまった場合に、簡単で効果も期待できるのが「ツボ押し」です。「合谷」など、いくつかある汗止めのツボを知っているだけでも心理的な安心が得られ、交感神経を鎮めるのに役立ちます。

また、一時的ではありますが、どうしても汗をかきたくない場面では「半側発汗」を促す方法が有効。圧迫した部分から上の汗が減り、それより下の汗が増えるという体の性質を利用するもので、頭部多汗症の場合は、バストトップから5センチほどのところを圧迫するとよいとされています。紐で縛ったり、「汗止めバンド」といった専用のアイテムも販売されているので気軽に試せる方法の一つと言えます。

おわりに

頭部多汗症は、他の人にはわからないつらい病気。にもかかわらず治療法が少ないのが現状です。

精神的な要因も大きく関わるため、まずは一人で抱え込まず医療機関での治療を始めることが先決ですが、治療やケアとともに、「汗びっしょりでも、自分は自分。」今のままの自分だってそばにいてくれる家族や友人、恋人の存在を思い出してみてくださいね。

治療の結果は「焦らず待つ」のが、頭部多汗症の治療にとっては肝心なようですよ。


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